無料版?有料版?Google Workspace導入検討時のポイント解説|カレンダーとMeet編
2024.11.12
前回の記事(グループとチャット編)ではグループとチャットの機能について、有料版と無料版の違いをご説明しました。当記事では、チャット同様にコミュニケーションツールとして非常に強力なGoogleカレンダーとGoogle Meetについてご説明します。
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目次
Googleカレンダー
Googleカレンダーは、予定管理を効率化する無料のオンラインカレンダーです。個人だけでなく、チームでのスケジュール共有もスムーズに行うことができ、会議の調整やタスク管理など、ビジネスシーンに大きく役立ちます。
また、Googleの他のサービスとの連携がスムーズに行える点も特徴で、GmailやGoogleドライブなどとの連携により、効率的なワークフローを実現できます。
無料版でも利用できるGoogleカレンダーの機能
Googleカレンダーを組織として利用する場合、個人のスケジュール管理だけではなく、会議やイベントの予定など、情報を組織内で共有することが目的となるでしょう。Googleカレンダーでは、無料版でも以下のような基本的な機能を利用して、組織内の情報共有を行うことができます。
- 予定の共有
作成した予定を他のユーザーと共有して、会議に招待したり、イベントの通知を行うことができます。予定の作成時にMeet会議を手動で作成して、予定と紐づけることも可能です。 - ファイルの共有
共有した予定にGoogleドライブ上のファイルを添付して共有することができます。
カレンダー上の予定から、パソコンやスマホ上のファイルをドライブへアップロードして共有することもできます。 - 共有カレンダーの作成
個人のカレンダー以外に、チームやプロジェクトごとに共有カレンダーを作成し、メンバー全員でスケジュールを管理できます。プロジェクトの進捗状況の可視化など、様々な用途に活用が可能です。(無料版では作成数に上限があります) - 繰り返しの予定の作成
毎週の予定や毎月末の予定など、定期的なイベントに対して「繰り返しの予定」を作成することができます。参加者や会議の開催場所などの情報が変わった場合、指定日以降の情報を一括で変更することができ、簡単にスケジュールのメンテナンスが行えます。
有料版Googleカレンダーの便利な機能
Googleカレンダーの無料版は、小規模なチームや個人での利用に最適ですが、組織が成長し、複数のチームが連携してプロジェクトを進める場合、無料版では管理が煩雑になることがあります。
有料版Google Workspaceのカレンダーは、会議室などのリソースの管理や、他のGoogle Workspaceの機能との連動など、組織でのGoogle Workspace全体の運用についても考慮されており、Google Meetとのシームレスな連携や、高度な権限管理など、組織全体の効率化に役立つ機能が準備されています。
共有リソースの管理
有料版のGoogle Workspaceでは、「会議室」「ミーティングスペース」といった共有設備や、「プロジェクター」「撮影機材」のような共有資産を「共有リソース」として管理することができます。
共有リソースを作成すると、そのリソースのカレンダーが自動的に作成され、個々のカレンダーと連動してリソースの予約をしたり、利用状況が可視化されることで一目瞭然となり、会議予定の検討時などに非常に便利です。
カスタムカレンダーの作成
カスタムカレンダーは、組織独自のルールやニーズに合わせて作成できる、自由にカスタマイズ可能なカレンダーです。
営業日、祝日、テナントの休館日などといったカレンダーや、イベント日程やプロジェクトスケジュールなど、様々な情報を組織内のメンバーやチームで共有することができます。これにより、各自のカレンダーに合わせた表示設定が可能になり、業務効率の向上に繋がります。
Google Meetの自動設定
有料版のGoogleカレンダーでは、会議の予定を作成する際に、オンライン会議である「Google Meet」の会議が自動で設定されます。これにより、Meet会議の設定漏れの防止や、会議の招待、参加、録画などの操作をワンストップで行うことができ、スムーズにオンライン会議を開催することができます。
その他の機能
有料版のGoogleカレンダーではこれらの機能に加え、予定の編集権限をユーザーやグループに対して詳細に設定でき、セキュリティの強化につなげることができます。また、Google Apps Scriptを利用した自動化や、APIを利用して外部カレンダーと連携するなど、高度なカスタマイズも可能です。
Google Meet
Google Meetは、Googleが提供するビデオ会議ツールです。パソコンやスマートフォンから簡単な操作で参加でき、画面共有や会議内でのチャットなど、ビジネスシーンで必要な機能を備えています。
テレワークやオンライン会議が一般的となった現代において、Google Meetはチームや顧客とのコミュニケーションを円滑にするための強力なツールです。
無料版でも利用できるGoogle Meetの機能
無料版のGoogle Meetでは、以下のような基本的な機能が利用できます。小規模な組織で、ビデオ会議の頻度がそれほど高くなければ、ビジネス利用のための最低限の機能は満たしていると思います。
- ビデオ会議
1対1、または複数人でのビデオ会議を行うことが可能です。
ただし無料版の場合参加者は100人まで、3人以上での会議は60分の時間上限があります。 - 画面の共有
参加者の画面を共有して、資料を表示しながら説明したり、実際に操作しながらアプリケーションのデモなどを行うことができます。 - チャット
会議中にチャットを利用して、参考とする資料へのリンクの共有や、発言を妨げずに入退出の報告をすることなどが可能です。 - 参加者の管理
参加者を待機室に待機させたり、ミュートしたり、会議から退出させたりすることができます。
(無料版では、会議の主催者のみ行うことができます) - バーチャル背景
背景をぼかしたり、事前に用意された仮想背景や、画像を背景に設定することで、プライバシーを保護できます。
有料版Google Meetの便利な機能
有料版のGoogle Meetでは、会議時間の上限や詳細な管理機能などの利便性や、録画や字幕などの機能が利用できるなど、さらなるビジネス利用に適したコミュニケーションツールと言えます。
ただし、Google Meetで利用できる機能は、有料版でもプランによってかなり異なります。ここでは引き続き、無料版を含めた各プランの比較と、主な違いについてご説明します。
無料版 | Business Starter | Business Standard | Business Plus | Enterprise (※1) | |
参加者数の上限 | 100人 | 100人 | 150人 | 500人 | 1000人 |
会議時間の上限 (3人以上) | 1時間 | 24時間 | 24時間 | 24時間 | 24時間 |
録画 | - | - | 〇(※2) | 〇(※2) | 〇(※2) |
ノイズキャンセリング | あり | 高度 | 高度 | 高度 | 高度 |
出退席管理 | - | - | 〇 | 〇 | 〇 |
リアルタイム字幕 | - | - | 〇 | 〇 | 〇 |
※1 Enterpriseプランはカスタム可能(上限数など)のため参考値となります。
※2 ドライブの容量上限まで録画可能
参加者数と開催時間の上限
Google Meetの会議参加者と開催時間には上限があり、プランにより差があります。
- 無料版とBusiness Starterプランの差
Business Starterプランでは、会議の参加者数の上限は同じ100人ですが、3人以上の会議の開催時間については無料版の60分よりも長く、24時間まで対応しています。 - Business StarterプランとBusiness Standardプランの差
Business Standardプランでは、会議の参加者数の上限が150人に増加し、より大規模な会議に対応できます。こちらも24時間まで開催できますので、長時間の会議にも対応することができます。 - Business StandardプランとBusiness Plusプランの差
Business Plusプランでは、会議の参加者数の上限が500人に大幅に拡大され、大規模なイベントやウェビナーの開催など、長時間かつ大規模な会議を安定して行うことができます。
会議の録画
Meet会議の録画は、Business Standardプランおよび上位プランで利用でき、録画データは組織のGoogleドライブに保存されます。また、録画中のチャットについても、GoogleドキュメントなどのGoogle Workspaceのアプリに自動的に保存されます。
さらに、文字起こし機能を有効にすることで、会議の内容をテキスト化し、議事録作成の効率化を図ったることができます。(ただし、文字起こしの精度は話者の発音やノイズによって左右されるため、必ず内容を確認する必要があることにご注意ください)
※録画データへの字幕の付加について
録画時にリアルタイム字幕をオンにして録画することで、動画に字幕を付加することもできますが、同様に精度が環境などで左右されることや、あとで字幕を修正する機能が提供されていないため、あくまで参考としての字幕付加機能としてお使いいただけるものとなりますのでご注意ください。
ノイズキャンセリング
Google Meetのノイズキャンセリング機能は、キーボードの音、ドアの開閉音などといった「会議中に発生する周囲の音」を軽減する機能です。無料版でも一定のノイズキャンセルが入りますが、有料版ではより高度なAI処理によって、精度の高いノイズキャンセルが可能です。
高度なノイズキャンセリング機能は有料版Google Workspaceでの利用が可能で、Business各プランではデフォルトで有効とすることができ、特別な操作を行わなくてもクリアな音声で会議を行うことができます。
これにより、ノイズによるストレスが低減され、より会議に集中できたり、スムーズなコミュニケーションが期待できます。
ゲストの招待と権限
無料版のGoogle Meetでも、Googleアカウントを持つゲストを招待したり、Googleアカウントを持たないゲストでも会議のリンクを共有することで外部のゲストを会議に招待することができますが、この場合、共有されたリンクからは誰でも参加可能となってしまうため、セキュリティ面には不安があります。
有料版のGoogle Meetでは、Googleアカウントを持っていないゲストをメールアドレスで招待することができます。また、招待リンクの有効期限を設定したり、特定のドメインからの参加の制限や、ゲストが利用できる機能を限定したりするなど、より詳細な権限管理が可能です。
また組織内部のゲストに対しても、録画機能の利用の禁止や、自分の発言だけを録音できるよう細かく制限したり、チャットや画面共有の利用を制限するなど、シーンに応じた細かな会議設定を行うことができます。
その他の機能
Business Standard以上のプランでは、会議に共同主催者を設定することで、参加者の待機/参加の許可や、ミュート/退出などの管理を複数人で行うことができ、主催者の負担を軽減してスムーズに会議を進行させることができます。
また、会議中にリアルタイムでアンケートを実施し、参加者の意見を収集・共有することで、よりインタラクティブなミーティングを実現できます。例えば、択一式や自由記述式の質問を作成し、その場で集計結果を確認することで、議論を深めることが期待できるでしょう。
Google Meetは組織によってほとんど使わない場合もあれば、毎日利用する場合もあり、その利用用途も社内のコミュニケーションや、顧客や取引先とのミーティングなど様々です。
組織での利用シーンや頻度をふまえて、適したプランを選択することが非常に重要になる機能ですので、ぜひプランごとの機能の比較を参考にしてご検討ください。
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