Google ドキュメントで Gemini を利用してみよう | GWS × Gemini(3)
2025.06.27
文書作成ツールである Google ドキュメントでも、Gemini はその創造力で文章の作成を強力にサポートしてくれます。特にレポートなどで資料の要約を行ったり、企画のアイディア出しを行うようなケースでは、非常に大きな効果を感じることができるでしょう。当記事では、 Google ドキュメントでの Gemini の利用についてご紹介します。
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目次
Google ドキュメント × Gemini
Google ドキュメント上で利用できる Gemini は、ドキュメント作成に特化した機能として準備されています。画像の作成も可能ですが、特に様々な内容の文章の生成および作成をサポートする機能が充実しています。
画像の作成
スプレッドシートやスライドなど他の Google Workspace のアプリと同様に、Google ドキュメント の Gemini でも画像を作成することができます。言葉で作成したい内容を送信することで、チャットエリアに4枚の画像が提案されます。

作成する画像のサイズは指定できませんが、アスペクト比は 「1:1」(正方形)または「4:3」「16:9」 (横長または縦長)を指定することができました。また、特定のキャラクターやロゴなど、著作権や商標の侵害の可能性がある画像は作成できません。
文章の作成
Google ドキュメント上の Gemini は、特に文章の生成に大きな力を発揮します。生成できるコンテンツは、ドキュメントの要約から、Web上の調査結果、物語の作成まで、幅広いコンテンツの作成をサポートしてくれます。
ドキュメントの要約
Google ドキュメントでは、Gemini を使ってドキュメント全体を要約できます。長いドキュメントを読み込む時間がない時でも、概要や全体の流れを素早く把握するのに役立ちます。
また、作成したファイルを共有する際も、要約を作成してメールで送信したり、別途要約を添えることで受け手がスムーズに内容を理解する助けになるでしょう。
ドライブ上のファイルやメールの要約
Google ドライブ上にあるファイルを参照して、内容の要約や情報の抽出を行うことができます。例えば、「ドライブ上にある懇親会の案内状を検索して、これまで利用した会場の情報をまとめてください」といったプロンプトでは、多くのファイルを確認する手間をかけずに、情報を収集することができるでしょう。
また、Gmail をご利用の場合は、メールを検索して情報を取りまとめることも可能です。指定した条件に合致したメールとその添付ファイル(暗号されていないもの)を参照し、その内容について文章としてまとめることができます。例えば、「6月に受信した懇親会のメールを検索して、概要を案内状の形式でまとめて」といったプロンプトで、資料の下書きを作成するといったような活用ができます。
※2025年6月現在、Gemini から参照できるのはメールとドライブ上のファイルのみで、チャットとカレンダーは参照できませんのでご注意ください。
企画書・提案書の作成サポート
文章だけでなく、企画書や提案書といった資料作成にも Gemini を活用することができます。このような資料は Gemini だけで完結することは難しいものの、ドキュメントのひな形を作成したり、アイディア出しに利用することで、労力の削減が期待できます。
例えば以下の画像は、「中学生向けの体験型学習プログラムを紹介する資料のひな形を作成してください。また、札幌市近辺で体験可能なものがあれば、ひな形の中にサンプルとして取り込んでください。」というプロンプトの実行結果です。

もちろん、目的に沿った資料として完成させるには内容の追加や編集が必要になりますが、これらの内容を利用、流用することにより、ドキュメントの作成者は内容の充実といった、より本質的な作業に注力できるようになるでしょう。
資料や記事の文章作成
Google スライドや Google スプレッドシートでも、Gemini のチャットパネルで文章を生成することは可能ですが、Google ドキュメントではさらに高度な文章を作成することが可能です。
例えば、以下のような指示でWeb上の情報から文章を作成したり、画像を示してそこから想像されるストーリーを作成する、といった創作まで、様々なコンテンツを作成することができます。
プロンプト例:
「札幌でおすすめのグルメのうち、異なる5つのジャンルについて、○○文字程度にまとめて」「2025年に日本で流行しているファッションと、秋以降に流行しそうなファッションについて、理由と一緒にまとめて」
ただし、具体的なお店やブランドの名前は、Gemini の生成する文章に含めることはできないようです。これは、広告や宣伝のような内容になってしまい、AI から提供される情報として重要な中立性が損なわれるためと考えられます。
また、専門性の高い分野についての調査などは、正確性が担保されない場合があることに注意してください。資料やレポートの作成に利用する場合は、ドキュメントの骨子としての利用にとどめ、生成されたコンテンツの内容についても必ず確認することが重要です。
生成したコンテンツの権利について
Gemini を利用して生成したコンテンツについて、著作権などの権利はどのようになっているのでしょうか。Google Workspace の利用規約では以下のように記述されており、生成物の権利は基本的に Gemini の利用者に帰属するものと考えられます。
「生成物」とは、お客様の Workspace アカウントでお客様もしくはそのエンドユーザーが Workspace 生成 AI サービスを介して送信したデータまたはコンテンツによって、同サービスを介して生成もしくは受信したデータまたはコンテンツを意味します。生成物はお客様のデータです。お客様と Google との間において、Google は、生成物で新しく作成された知的財産の所有権を主張することはありません。
ただし、同時に注意すべき点もあります。引用元が表示されている場合や、出典が判明しており知的財産権の侵害の可能性を事前に把握していた場合、さらに事前の認知に関わらず商標登録などの権利を侵害する場合などは、特に注意が必要です。利用規約でも、以下の場合は Google の補償義務の対象外とされています。
(i)お客様が侵害の可能性があることを知っていたか知るべきであった、生成物を作成または使用した場合
(ii)お客様が責任を持って生成物を作成または使用するための支援を行うことを意図して Google が提供する出典引用、フィルタ、手順、その他のツールを、お客様が(またはお客様の指示に従い Google が)無視、無効化、または回避した場合
(iii)お客様が権利者またはその委任代理人から侵害申し立ての通知を受けた後に、かかる生成物を使用した場合
(iv)お客様が取引または商業においてかかる生成物を使用した結果として、商標関連の権利に基づいて申し立てが行われた場合。
出典:Google Workspace サービス固有の利用規約
https://workspace.google.com/intl/ja/terms/service-terms
(12.10 Google の追加の補償義務、12.12 その他の定義 参照)
できないこと
前述のとおり、Google ドキュメント上の Gemini では、著作権や商標を侵害する可能性のあるコンテンツや、具体的な店舗やブランドといった中立性を欠く可能性がある文章は作成できませんでした。
また、ドキュメント上でレイアウトや書式など、見た目を直接 Gemini から変更することもサポートされていません。また、画像やグラフなどをGeminiで直接編集することもできませんでした。
ただし、内容を読みとって見出しのフォントやテーマカラーの提案、といったテキストベースでの提案を受けることは可能ですので、使い方に迷った場合はチャットパネルで Gemini に直接問い合わせてみるのも良いと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?Google ドキュメント上の Gemini は文章の作成や編集、要約に特化しており、作業時間の短縮だけでなく、表現力を広げる強力なツールとして大きな力を発揮すると思います。
Google Workspace 上で Gemini を利用できる方は、是非様々な Google Workspace アプリで Gemini を利用して日々の業務を効率化し、より創造的な作業に集中してみてください。