Google スライドで Gemini を利用してみよう | GWS × Gemini(2)
2025.06.20
前回の記事では、Google スプレッドシート上で関数の生成やグラフの生成、データの整理などに Gemini を利用する方法についてご紹介しました。
当記事では、スプレッドシートと同じく Google Workspace のアプリケーションの1つである Google スライド(プレゼンテーション)でGemini の利用する方法についてご紹介します。
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Google スライドでの Gemini の利用
Google スライドでの利用方法
Google スライドで Gemini を利用するには、右上にあるアイコンから Gemini のチャットパネルを開きます。画像の作成やテキストコンテンツの作成、プレゼンテーションの要約など、チャットパネルから送信したプロンプトに応じた形で生成結果が返されます。

生成されたスライドやコンテンツは、クリック1つでスライドに差し込んで利用できるため、プレゼンテーションを作成する労力を大幅に軽減できそうです。
Google スライド上の Gemini でできること
(2025年6年現在)
Google スライド上で Gemini ができることには、どのようなものがあるのでしょうか。Google のヘルプページには、以下のように記されています。
Gemini in Google スライドを使用すると、次のことができます。
・画像を生成する。
・新しいスライドを生成する。
・プレゼンテーションを要約する。
・コンテンツを書く、書き直す。
・ドライブ内のファイルを参照して新しいスライドを作成する。※引用元:Google ドキュメント エディタ ヘルプ > Gemini in Google スライドを活用する
https://support.google.com/docs/answer/14355071?hl=ja
実際に、Google スライド上で Gemini を利用し、どのようなことができるのか確認してみましょう。
画像を生成する
Gemini のチャットパネルで希望を伝えて、画像を生成させることが可能です。画像は3~4点ほど生成され、チャットパネルから指定のスライドに差し込むことができます。また、差し込み時にスライド上の画像を指定しておくことで、既存の画像を差し替えることもできます。

画像のサイズについては、今のところ正方形の画像のみ作成が可能です。差し替えの際はスライド上で指定した画像のサイズにあわせて拡大・縮小またはトリミングされて差し込まれます。ちょうどよい形で差し込めない場合は、プロンプトを追加するなどして再作成してみてください。

(2025.7.2 更新)
Google スライド上でも imagen4 が利用できるようになり、正方形以外にも横長/縦長の画像を作成できるようになりました。縦横比 4:3(3:4)または 16:9(9:16) いずれかの比率で画像が作成できます。


新しいスライドを生成する
Gemini から直接スライドを追加することもできます。2025年6月現在、Gemini では以下の内容のスライドが作成できます。
・スライドの作成は1ページ単位
・表題+画像1点+4つ前後の箇条書きの構成で作成される

詳細な説明テキストなどが必要な場合は、スライドの自動生成だけでは実現は難しいため、別途コンテンツを生成したり、記述する必要があります。
現時点では、スライドを丸ごと生成するよりも、スライドの骨子や見出しページの作成に利用するのが便利な活用方法になるのではないでしょうか。
プレゼンテーションを要約する
プレゼンテーション内のコンテンツを作成、編集するだけでなく、既存のプレゼンテーションの内容をGemini に要約してもらうことも可能です。

※画像の商品は架空の商品です
事前に要約してポイントとなる箇所を踏まえておくことで、効率的に要点を把握し、全体の流れや重要事項の確認のサポートとすることができるでしょう。ただし、要約に含まれていない箇所にも重要な情報が記載されている可能性もありますので、要約はあくまでガイド程度としての利用とし、実際のコンテンツを確認することが重要です。
コンテンツを書く、書き直す
スライド内に表示するテキストコンテンツも Gemini を利用して生成できます。文字数やコンテンツの形式(箇条書きなど)を指定することで、スライド内のコンテンツとしてそのまま差し込んで利用することもできます。

また現時点ではアルファ版として提供されているため利用できる方は限られますが、専門的なコンテンツを作成したい場合などは、Google スライド上で Gem を利用することもできます。Gem は特定のタスクや分野に特化したカスタム AI エキスパートであり、事前にキャラクタライズされた Gem を作成しておくことで、質の高いフィードバックを受けることが可能です。
ドライブ内のファイルを参照する
Gemini でコンテンツを生成する際に、Google ドライブ内の他のファイル(ドキュメント、スプレッドシート、プレゼンテーションなど)を参照し、要約などのコンテンツを作成することができます。
例えば仕様書から営業用の資料を作成したり、数値をまとめたスプレッドシートからサマリなどの報告資料を作成するなど、既存の情報を新しい視点や形式で活用できます。
チャットでキーワードを送信してドライブ上の関連するファイルを複数参照したり、特定のファイルを読み込ませることが可能です。ただし、読み込むファイルはアクセス権限があるファイルのみで、特定のファイルを指定したり、ファイルに「アクセスするにはリンクが必要」オプションが設定されている場合は、明示的にファイルのURLを送信する必要があります。
Google スライド上の Gemini でできないこと
(2025年6年現在)
文字だけ、または画像だけのスライドを作成する
Gemini から直接追加するスライドは、上記で述べた「画像1点」+「4点程度の箇条書き」の組みあわせでのみ生成が可能でした。
テキストコンテンツまたは画像のみのスライドや、チャットパネル上でテキストコンテンツまたは画像を作成して、スライドへ挿入する必要があります。
また、1スライドを生成する際に複数画像を同時に挿入することはできませんでしたが、「複数の画像を1画像にまとめた画像」の作成を指示するなど、工夫の余地はあると思います。

テンプレートを指定する
スライドのテンプレートについては、Gemini に直接選択してもらうことはできませんでした。
作成するスライドの概要や目的、アドバイスが欲しいポイント(色合い、デザインなど)を具体的に質問することで、Gemini からのフィードバックを受けることは可能ですので、参考にして選ぶのが良いでしょう。

スプレッドシートの内容から表やグラフを直接生成する
Gemini でドライブ上の他のドキュメントを参照することは可能ですが、スプレッドシートのデータから、直接スライド上に表やグラフを挿入することはできませんでした。
現状では、参照先のスプレッドシート上で作成したグラフなどをスライドに取り込んで利用する必要がありますが、スプレッドシートでも Gemini を利用することで、労力を削減することが可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。Google スライド上で Gemini を利用することで、スライド作成の労力を大きく削減できると感じていただけたかと思います。
また、骨子の作成や統一されたデザインでのドラフト作成などをスライド上の Gemini を用いて行い、詳細な内容のコンテンツなどは、複数ウインドウを開き Gemini アプリで専門的な Gem を用いて生成するなど、それぞれの Gemini をまるでチームのメンバーのような形で利用することも可能です。
アイディア次第で様々な活用ができる、Gemini をはじめとする生成AIの無限の可能性をぜひ体験してみてください。