『WordPress』とは|世界中で最も利用されているコンテンツ管理システム
2024.09.06
ここではWordPressの基本情報、メリットや注意点についてご説明します。
目次
WordPressについて
WordPress(ワードプレス)とは、Webサイトやブログの作成・記事更新などができるCMS(コンテンツマネジメントシステム)で、オープンソースの無料のソフトウェアです。
その市場シェア率は圧倒的で、主要なCMSで作成された全世界のWebサイトのうち約62.6%ものサイトがWordPressで作成されているという調査結果が出ています。(2024年8月21日現在)
参考:Usage statistics of content management systems|W3Techs
また日本のCMSシェア率を見ると、WordPressが約82.5%を占めており、その人気の高さが窺えます。
WordPressのメリット
WordPressの大きなメリットとして「オープンソースゆえの手軽さ」「書籍やインターネット上の情報量」「機能の拡張性」が挙げられます。
無料で簡単に使い始めることができる
WordPressは無料※でインストール、設定、Webサイトの公開を行うことができます。
※1 レンタルサーバーやドメインの契約には費用が必要
※2 テーマやプラグインの中には有料のものもある
WordPressの始め方は大きく2通りあります。
レンタルサーバーのインストール機能を使用する
レンタルサーバーの中には、必要情報の入力と数回のボタンクリックのみでWordPressをインストールできる機能が用意されている場合があります。
下記はそのようなインストール機能があるレンタルサーバーの一例です。
レンタルサーバーを契約する際は、このような便利機能の有無を確認して選定するのがベストです。
レンタルサーバー名 | 機能名 |
---|---|
SAKURA internet(さくら) | WordPressクイックインストール |
Xserver(エックスサーバー) | WordPressクイックスタート |
LOLIPOP!(ロリポップ) | WordPress同時インストール |
WordPressをダウンロードして自分でインストールする(上級者向け)
公式サイトから最新バージョンのWordPressをダウンロードし、自分でレンタルサーバーにWordPressをインストールする方法もあります。
ただしこの方法は、自分でデータベースを用意するなどサーバー構築の知識が必要となるため、上級者向けの方法です。
コーディングやプログラミングの知識がなくても構築できる
WordPressのサイトデザインにはテーマというデザインのセットを利用します。
記事やページのコンテンツはブロックエディタという機能を使用して作成します。
テーマ
WordPressで作成したWebサイトやブログの外観(デザイン)はテーマによって決まります。
WordPressが提供している無料テーマの他にも、サードパーティーのテーマが存在します。有料のテーマは利用できる機能が豊富であったり、高い拡張性を有しているものがあったりなどクオリティが高いものが多いです。
サードパーティー
本体の開発元(ここではWordPress.com)以外によって開発されたもの
HTMLやCSSのコーディングや、プログラミングの知識がある方は、テーマを自作することも可能です。
テーマを自作することで、既存のテーマとは異なる唯一無二のデザインにすることができます。
ブロックエディタ
2019年にリリースされたバージョン5.0から導入されたブロックエディタ(Gutenberg)によって、従来のクラシックエディタに比べ、より直感的に記事・ページの更新を行えるようになりました。
段落・見出し・リスト・テーブルといった一般的なページの構成に利用できるブロックは最初から用意されています。
また、プラグインをインストールすることで、標準機能以外の種類のブロックを追加することもできます。
※プラグインについては後述します
プラグインが豊富で様々な機能を追加できる
WordPressは標準の機能を最低限に抑えることで軽量化し、用途に応じて機能拡張するように設計されています。その機能を拡張するためのツールがプラグインと呼ばれるものです。
ここでは多くの人に利用されている人気のプラグインをいくつかご紹介します。
お問い合わせフォーム
企業サイトであってもブログであっても、お問い合わせフォームは多くのWebサイトに設置されています。プラグインを利用したフォーム設置がおすすめです。
Contact Form 7
- 設定が簡単
- 連携できるプラグインが多い
- 国産で安心
Contact Form 7はお問い合わせフォームを作成・設置するためのプラグインです。
フォームに使用する入力エリアやチェックボックス、送信ボタン、自動返信メールなどを容易に設定することができます。
セキュリティ
WordPressは利用者が非常に多いため、サイバー攻撃を受けやすいという面もあります。
ウェブサイトならびにユーザーの安全を守るためにも、WordPress利用時のセキュリティ対策は必須事項です。
SiteGuard WP Plugin
- 基本的なセキュリティがこれひとつで完結
- ひらがなの画像認証がある
- 国産のため、設定画面が日本語表記で分かりやすい
SiteGuard WP Pluginはインストールして有効化するだけで、ログイン周りの基本的なセキュリティ対策を行うことができます。
ログインページのURLを変更したり、ログイン時に画像による認証を設けるなどの仕組みを容易に導入できます。
バックアップ
WordPressのWebサイトを運営していると、「何かの拍子にレイアウトが崩れてしまった」「ホームページが真っ白になってしまった」というような声を聞くことも少なくありません。
そんなときに役立つのがバックアップ機能です。
バックアップを取った時点のWebサイトの状態を復元することができるため、トラブルの発生時には大変役立ちます。
UpdraftPlus
- バックアップと復元の操作が分かりやすい
- 自動バックアップ機能がある
- 部分的な復元にも対応している
UpdraftPlusはWordPressのバックアップと復元のためのプラグインです。
細かい設定も可能ですが、デフォルトの状態でボタンを押すだけでバックアップが完了する簡便さが魅力です。
ユーザーが多いためネット上で情報が手に入りやすい
WordPressは日本人ユーザーも多いため、インターネット上でも多くの情報が公開されています。
ただし、各ユーザーが自らの経験をもとに情報を掲載しているケースも多くあるため、信ぴょう性や本当に自分の課題に対する解決策となるかは見極めなくてはいけません。
また、WordPress公式による日本語のマニュアルサイト「サポートフォーラム」があります。
サポートフォーラム – WordPress.org 日本語サイト
「はじめに」「インストール」「基本的な使い方」などの各ステップごとに説明が掲載されているほか、WordPressユーザー同士で質問し合える日本語フォーラムもあります。
過去の事例を検索して解決策を得たり、自分で質問を投稿してみるのもいいでしょう。
自由度や拡張性が高い
WordPressの標準機能は最低限のものとなっており、「プラグインが豊富で様々な機能を追加できる」でも紹介したように、自由に必要な機能を拡張していくのが特徴となっています。
プラグインの追加による拡張はもちろん、プログラミングの知識があればテーマファイルから直接WordPressに機能を追加したり、様々なカスタマイズが可能になります。
また、HTMLやCSSなどのコーディングの知識があれば、ブロックエディタでは実装できない複雑なデザインも表現することができます。
コーディングやプログラミングの知識がなくてもWebサイトの構築が行えるWordPressですが、知識があるとデザインや機能拡張の自由度が広がる可能性を秘めているのです。
WordPressの注意点
手軽に利用を始められるWordPressですが、以下のような注意点もあります。
個別サポートがない
WordPressには、電話や問い合わせ窓口といった公式サイトによる個別のサポートはありません。
WordPressの利用について不明点があるときは、インターネットで検索をして多くのデータから回答となる情報を探すか、先ほどもご紹介したサポートフォーラムから情報を得ることとなります。
サポートフォーラム – WordPress.org 日本語サイト
解決策となり得る情報があったとしても、実際に管理画面やテーマファイルから設定やソースの調整を行うのは自分自身です。
簡単にWebサイト構築を行えるWordPressですが、運用・管理していくうえではコーディングやプログラミングの知識があるに越したことはないでしょう。
アップデートや互換性に注意が必要
WordPressの本体・テーマ・プラグインは「機能追加」「バグ修正」「セキュリティ強化」などによるバージョンアップが行われます。
特に「バグ修正」や「セキュリティ強化」が目的のアップデートを適用しない場合、運用中に何らかの不具合が発生したり、脆弱性を狙ったサイバー攻撃を受ける可能性があります。
常に最新の状態を保つことを意識しましょう。
WordPressに付随する機能には「互換性」というものがあります。
古いプラグインが最新のWordPressに対して互換性がなく、WordPress本体をアップデートしたところ不具合が発生したというケースもみられます。
不具合を回避するためにも、WordPress本体よりも先にプラグインやテーマのアップデートを行うとよいでしょう。
また、アップデートを行う前は必ずバックアップを取ってからアップデート作業を行うようにしましょう。
プラグインの競合が起こる可能性がある
複数のプラグインを導入した際、プラグイン同士の競合のため不具合が起こる場合があります。特に類似の機能を持ったプラグインを重複してインストールしている場合に不具合が起きやすい傾向があります。
不具合の原因がプラグインの競合によるものか確かめるには、プラグインをすべて停止してからひとつずつ有効化してサイトを確認するか、競合をチェックするプラグインをインストールする方法があります。
不具合の原因となったプラグインを特定できたら、アップデートや互換性の確認や利用を停止して代替プラグインを探すなどの対策が必要です。
サイトの表示速度が遅くなる場合がある
導入が非常に簡単なWordPressですが、データベースを用いて動的にページを表示するため、表示速度が遅くなりがちなのがデメリットのひとつでもあります。
ここでは簡単な対策をふたつご紹介します。
不要なプラグインやテーマを削除する
プラグインは大変便利な機能ですが、数多くのプラグインをインストールしているとサイトの表示速度を遅くしてしまう可能性があります。
サイトの読み込みを遅くしないためにも不要なプラグインやテーマは削除しておきましょう。
サイト内の画像を圧縮する
ブログの場合は、記事に多くの画像を掲載することもあると思います。
WordPressは画像のアップロードが容易なため、つい大きいサイズのまま画像を張り付けてしまいがちです。しかし容量の大きい画像を多く使用していると、サイトの表示速度に大きく影響を及ぼします。
画像の容量圧縮にはオンラインのサービスが便利です。
TinyJPGは同時に20枚までの画像を圧縮できる無料のオンライン画像最適化ツールです。最適化する画像の画質を下げることなく容量を小さくしてくれます。
セキュリティ対策が必要
WordPressは非常に利用者が多いCMSであるため、脆弱性を狙った悪質な攻撃の標的となりやすい面もあります。
サイバー攻撃やセキュリティと聞くと、難しそう・怖そうという印象からWordPressの利用を断念してしまいたくなるかもしれません。
でも大丈夫です!本記事でこれまで記載した内容に、簡単にできるセキュリティ対策が多く含まれています!
基本的なセキュリティ対策5つは以下です。
- セキュリティ対策のプラグインを使用する
- WordPress本体やテーマ、プラグインを常に最新のバージョンを保つ
- 使用していないテーマやプラグインを削除する
- 定期的にバックアップを取る
- レンタルサーバーのセキュリティ機能を利用する
いかがでしょうか?ここまでの内容が、しっかりとセキュリティ対策につながっていますね。
「レンタルサーバーのセキュリティ機能」についてはレンタルサーバー各社で異なりますので、サーバーのある方はご契約先のサービスをご確認ください。
WordPressのクイックインストールでご紹介したレンタルサーバーのセキュリティ対策については、以下の表のようになっています。(プランにより異なる場合がございます)
レンタルサーバー選定時は、ぜひセキュリティの観点からも検討してみてください。
レンタルサーバー名 | セキュリティ対策機能例 |
---|---|
SAKURA internet(さくら) | ・無料SSL(Let’s Encrypt) ・ファイルとデータベースの自動バックアップ ・国外IPアドレスフィルタ ・WAF(Webアプリケーションファイアウォール) ・Web改ざん検知サービス(有料) |
Xserver(エックスサーバー) | ・無料独自SSL ・自動バックアップ ・国外IPアクセス制限 ・WAF(Webアプリケーションファイアウォール) ・セコムセキュリティ診断 |
LOLIPOP!(ロリポップ) | ・無料SSL(Let’s Encrypt) ・バックアップオプション(有料) ・WAF(Webアプリケーションファイアウォール) ・パソコン・スマホ用ウイルス対策ソフト(有料) |
まとめ
世界中の人に愛されるWordPressが利用しやすいとされる理由や、利用時に気を付けるべき注意点が本記事でご理解いただけたかと思います。
導入には難しい知識は必要ありませんが、安全にWebサイトやブログを運営するためにもプログラミングやコーディングの知識は少しずつ獲得していけるとよいと思います。
特徴やデメリットも理解していただき、セキュリティ対策も行った上で、便利なWordPressをご活用いただければと思います。
当サイトでは、無料で利用できるWordPressのローカル環境の作成ツール「Local」の利用方法についてもご説明していますので、サーバーを準備するのはちょっと・・・という方も、こちらでWordPressを試してみることもできます。
◆Local入門 記事一覧はこちら
それでは、素敵なWordPressライフをお送りください!